本への興味を引き出す方法
ストーリーテリング
ストーリーテリングとは、本などを見ずに、物語を覚えて語ることをいいます。日本でいったら昔話、世界各地で語り伝えられてきた民話などが適しています。ストーリーテリングが優れている点は、聞き手が話に集中して自分なりのイメージを頭の中に思い描くことができるところです。それこそ、絵本の絵に縛られることなく、話し手の言葉だけで物語の世界に引き込まれていきます。
ストーリーテリングは、絵本では遊んでしまってお話に集中してくれない乳幼児にも実践でき、読み聞かせと同じくらい、とっても良い習慣になると思います。簡単な昔話でいいですし、お話に慣れてきたら、また絵本に戻ってみてください。きっと今度は絵本も楽しんでくれるんじゃないかと思いますよ!
ここで、とても興味深い本を1冊ご紹介します。松岡享子さんが書かれた『昔話絵本を考える』です。松岡享子さんといえば、自宅で家庭文庫を開いてたくさんの子ども達と接しながら、児童文学の研究、翻訳、創作を手掛けられています。1974年、石井桃子さんらと共に財団法人東京子ども図書館を設立され、現在は同館理事長をされていらっしゃいます。さて、この本では、1971年に絵本として出版された「七わのからす」に対し、日頃子ども達にストーリーテリングや読み聞かせをしていた松岡さん達が強い違和感を覚えたことがきっかけで、昔話と絵本についての考察が丁寧に述べられています。お話と絵の調和がいかに難しく、与え方によって子ども達への伝わり方にも天と地ほどの差が出てしまうという問題について、非常にわかりやすく書かれています。言葉を語るということはとても強い力を持っており、絵本の読み聞かせとは違ったストーリーテリングの醍醐味も知ることができます。読み聞かせをされる皆さんに、ぜひ読んでいただきたい1冊です。
「七わのからす」は、『子どもに語るグリムの昔話〈3〉』に収録されています。『子どもに語るグリムの昔話』は1巻から6巻まで出ており、どれも読み語るにふさわしいお話ばかりです。
読書へのアニマシオン
「アニマ」とは「魂」のことで、「アニマシオン」とは「魂に命を吹き込み活気づけること」という意味です。読書へのアニマシオンは、スペインで開発された読書教育の実践方法です。本をひとりで十分に読めない子どもを手助けし、絵本児童書を使った遊びを通して、子どもの読む力を引き出していきます。学校では「知識を与え教え導く」必要性がありますが、この読書へのアニマシオンでは、読むことを義務付けたり、参加を強制したり、感想文を書かせたりということは一切しません。「遊び」は「心の体操」であるとの考えから、楽しみながら読む力を育てていくことを基本としています。実践方法には75の作戦があります。作戦とは、子どもがお話を聞き流してしまわないように、お話に集中して向き合うための方法です。興味のある方は、ぜひ『75の作戦』をご覧になってみてください。
ブックトーク
ブックトークは、ひとつテーマを決め、そのテーマに沿った絵本児童書を紹介していくというものです。図書館や小学校・中学校などで行われていることが多く、時間にして15分から20分ほどの時間の中で、子ども達が本を「読みたい!」という気持ちにさせることが目的です。対象となる年齢によって取り上げる絵本児童書もさまざまですが、偏りなく選んであげて、とにかく楽しいブックトークを目指したいですよね。
例えば、秋のいも掘りをテーマにするとします。さつまいも、じゃがいもが登場する絵本児童書を取り上げて、それらを上手に絡ませながら、子ども達に「この本にはこんなことが書いてあるよ。」と紹介していきます。クイズを交えたりしながら、本への興味を引き出していきます。私が持っている1冊に『さつまのおいも』という絵本がありますが、これもとっても面白い絵本です!他にも、じゃがいもをめぐってある事件が起きる『あらいぐまとねずみたち』も楽しめる絵本です。(横浜雙葉小学校の2005年入試問題にも出題された絵本です。)図鑑や写真絵本を使って、おいもの実物を見せてあげても楽しいですよね!
親も子供も、はまるでしょう!
衝撃!!
3歳の息子は自分で「読んで」ます
えいえい びゅんびゅん
面白い!!読みなさいと言ったって、興味が持てなければ、子どもにとってその本は何の意味もなしません。身近な話題から、子どもの体験と絵本児童書をつなげて橋渡しをしてあげると、子どもはすんなり本の世界へ入っていけるのではないでしょうか。どうか、「小学生に絵本なんて!」などと思わないでくださいね。興味を持てば、子どもは自然とその好奇心を広げていきます。「こんな本もあるんだよ。」と示しておいてあげれば、知りたいと思った時に、子どもは自分からその本を開きます。親は、その環境を整えてあげて、ちょっとだけ後押ししてあげればいいんじゃないかと思います。後は気長に待ってあげること、です。




